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病弱だった元妻と暮らした街を24年ぶりに訪ねて

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元夫さんから投稿頂いた「病弱だった元妻と暮らした街を24年ぶりに訪ねて」。

元妻と結婚して2年の頃、職場で元妻が倒れたと連絡があった。
元々身体が弱い方だったけど、そこに何らかの強いストレスがかかったと診断された。
病弱な身体に強ストレスが耐えられなかったその原因は、結婚生活にあった。


カウンセリングで分かったことは、結婚2年になって、俺が子作りしようと言い出したこと。
身体の弱い元妻は、出産に耐えられる自信が無く、でも、俺を愛していたから子供は欲しかった、そのジレンマの中で一人苦しんでいた。

医学的な診断がなされ、元妻の出産は、もしかすると命懸けだと言われた。
病弱なだけでなく、そのプレッシャーが与える強ストレスで、流産するかもしれないと言われ、
両家話し合いが持たれた。


元妻と暮らせるなら、子供なんか要らないと言ったけど、そう思わせている事もまた、今後の結婚生活で元妻のストレスになると言われ、俺と一緒にいることが問題だと言われ、諦めた。
元妻をストレスから解放するには、離婚するしかないという結論に達した。

夫婦最後の夜、最後の営みをした。
出会ってから5年、美しい桜色だった元妻の花弁も、俺の雄蕊で擦り上げられて赤茶けていた。
花弁を開き、花芯を撫でるように舐め、溢れる蜜を啜った。
最後の交合、抱き合い、唇を重ね、舌を絡ませ、唾液を交換した。
甘く、切ない喘ぎも聞き納め…元妻の名を呼び、愛の言葉を囁いた。


本当は中に出したい、孕ませたい、そんな思いを断ち切って、元妻のお腹に射影した。
最後の精液を指ですくい、哀しそうに眺めた元妻の目が、涙で潤んでいた。
あの時の元妻の温もり、匂い、忘れない。

荷物を運び出し、3年間暮らしたアパートの玄関を閉じた時、涙が溢れた。
「ごめんね…私、身体が弱いから、いつかこんな日が来ることは分かってた。でも、短い間でも、愛したあなたと暮らしたかった…私をお嫁さんにしてくれて、ありがとう…」
「今も、これからも、お前のことは愛したままだ。本当はお前と暮らしたいけど、俺という存在がお前を苦しめるのなら、俺は身を引くよ…」


「私のことは忘れて欲しい。そして、新しい幸せを掴んで欲しい。だって、あなたの人生、私のせいで無駄にしちゃったんだもの…幸せになってね。さよなら…元気でね。」
「お前と過ごした時間は無駄じゃないよ。ずっと心に残る思い出だ。忘れるものか。俺の宝物だ。お前…身体を労われよ。元気にな。さよなら…」

背中を丸め、去って行く元妻の後ろ姿が、やけにしょんぼりしてて、泣けた。
俺が原因なんだ、俺さえいなければいいんだ、元妻のためなんだと言い聞かせ、必死で涙を堪えたが、堰を切ったように溢れた涙はとめどなく溢れた。


俺も、新しいアパートに向けて歩き出した。
元妻には、新しいアパートの住所を教えていないし、携帯電話からも連絡先を削除して、事実上絶縁した。
あとは、俺が元妻の実家を訪ねたりしなければ、もう、赤の他人のまま過ごせるのだ。

暫く、抜け殻のように過ごした。
美味しいそうなものを見ると、元t魔と一緒に食べたいと思ったし、テレビで楽しそうな場所を見ると、元妻と一緒に行きたいと思った。
色んな思い出を共有したいのは、ずっと元妻だった。


もう、諦めるけれど、元妻とは話したいことがいっぱいあった。
一緒に見ようねって言てたけど、一緒に見れなかったDVDひとりで見たら涙が溢れた。
そんな風に、一緒にしようね、と言ってて出来なかったことを、1人でするとき、元妻のことを思い出して、涙が溢れて胸が苦しくなった。

俺は、せっかく引っ越したアパートを1年で出た。
そして、大学時代に4年間暮らした街に仕事を見つけ、元妻の暮らす街を出た。
新しい街で今の妻と出会い、結婚して、子供を育て、その子供も今年成人した。
今年、元妻と別れて25年、俺は55歳になっている。


先日、テレビで元妻と暮らした街が映った。
懐かしさに軋む胸、ふと思い立ち、離婚が決まった後、お別れ旅行した時に撮影した最後のツーショット写真を出してきて見つめた。
俺は、居ても立っても居られなくなって、後日休暇を取り、元妻と暮らした街を訪ねた。

元妻と別れて1年後にこの街を出て以来、24年ぶり…街の景色は、まるで置き忘れた物を取りに来たような、そんな感じだった。
元妻と暮らしたアパート、その後1年暮らしたアパート、あの頃のままだった。
元妻の実家…張り込みをする刑事のように眺めたが、何かが違う気がして、玄関先を歩いて通り過ぎたら、表札が変わっていた。


もう、元妻は住んでなかった…
これで完全に絶縁されなんだなと、天を仰いでしみじみと25年の時を思った。

駅に立ち、街を眺めた。
もう、二度と来ることはないであろう元妻と暮らした街並が、やけに悲しかった。
その街並に、しょんぼりした元妻の後ろ姿が重なった。
「さよなら…」
そう呟いて、新幹線に乗った。


新幹線で、元妻と写した最後の写真を眺め、過去りし日々に別れを告げた。
そして、俺は今の妻と歩んでいくんだと、いつまでも元妻のことを考えてはいけないんだと、言い聞かせたら、涙が頬を伝った…

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