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失った時間への哀惜 ~ ロス ザ ロマンス ~

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元彼さんから投稿頂いた「失った時間への哀惜 ~ ロス ザ ロマンス ~」。

君の笑顔が哀しそうに見えるようになったのは、いつの頃からだろう。
いつか一緒になったら…っていう話、だんだんしなくなっていったね。
結婚を夢見ていた君、まだ結婚を考えてなかった僕、君はそれに気づいていったんだね。


僕のへやにやってきた君、スーツケースを持ってきた。
ああ…今日で最後なんだなって、分かったよ。
いつものように一緒に夕食作って、テレビ見ながら食事して、ハイボール飲んで…
シャワー浴びて、ベッドに入って…

君の女陰、これで見納めなんだなって思いながら、クンニしたよ。
これが最後のフェラなんだなって思いながら、君の横顔見てた。
最後だから、オーソドックスに正常位で入れた。


いつも君とは生で入れてるけど、このまま中に出したら君、別れないでいてくれるかい?
そんなことを思いながら、めくれる君の女唇を眺めてた。
男と女が愛し合う、セックスには快感が伴う。
その快感を共有して、生殖目的以外でセックスをする動物が、唯一人間だけなんだなあ。
そんなことを思った。

喘ぐ金の揺れる乳房、もう、俺のものじゃなくなる。
重ねた唇、絡め合う舌、これから違う人と絡め合うんだね。
君の女穴の味わい、これを味わうほかの男ができるんだね。


そして君は、その男の子種を女壷に注がれて、生殖行為としてのセックスをする。
そして、念願のママになるんだね。
僕以外の人と…
だから、僕の子種は外に出すよ。

外が明るくなってきたころ、君がベッドから出たのは、気付いてたよ。
そして、静かに着替えて、洗面所で化粧してるのが分かった。
その後、スーツケースに、僕の部屋に置いたままの着替えや化粧道具を入れてたね。


この頃、いつ会うのが最後になるのかなって思ってたけど、こんなに早く訪れるとは思ってなかったよ。
スーツケースを閉める音がした。
さよならだね…

君、さよならも言わず出て行くんだね。
いいさ、僕は寝たふりしてるから…
ヒールを穿く音がする…
ドアが開く音…
ドアが閉まる音…
鍵をかける音…
チャリン!
君、郵便受けに僕の部屋の鍵を返したんだね。

そっと起きて、キッチンの窓を少し開けてみる。
君が、去って行く後姿が見える。
あっ…振り向いた…こっち見てる…じっと見てる…


君、僕が見てるの気付いたのかな、手を振って、そして、淋しそうな背中が遠ざかっていった。
君を淋しそうな背中にしたのは、僕なんだね。
君の後姿が見えなくなっても、暫く、君が去って行った方角を見てた。

僕は、水を一杯飲んで、ため息をついた。
今頃君は一人、街角に立って、失くしたものが何だったのか、探してるんだろう。
君が失くしたのは、僕じゃない。
僕たちが愛し合った時間さ。


きっと、その答えが出た頃、僕たちは二度とやり直せないことに気付くだろう。
二度と戻らない時間への哀惜に気付くだろう。
声からもずっと、君の幸せを祈っているよ。
さよなら…

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コメント一覧 (2件)

  • 黙って身を引く別れ
    それってマンネリ別れだね
    マンネリにならない愛
    それって夫婦なんだよなあ

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