痙攣するほどのセックスをしてくれた彼の写真

元彼女さんから投稿頂いた「痙攣するほどのセックスをしてくれた彼の写真」。

実家の物置で見つけた古いウエストポーチ、今から四半世紀前、私が20代前半の頃に使ってたもので、薄汚れてたから処分しようと中身を確認した。
そしたら、中に当時の彼、旦那の目に付き合ってた彼の写真が５枚出てきた。

あの頃、カメラがフィルムからデジタルに移る過渡期で、裏を見るとこれはフィルムカメラだ。
これ、彼と東北地方にお泊り旅行に行ったときので、彼が乗ってた当時の車が写ってた。
青いセリカで、ＴＲＤsportsＭって書いてあって、ゴールドのホイールが車体の青にマッチしてる。
このセリカ、６ＭＴでメッチャ速くって、でも、見かけなくなって久しいから懐かしい。

あの頃、短大があった街に就職してそのまま一人暮らししてた。
学生時代と違って、仕事でヘトヘトで帰って来てからの家事はキツくて、お総菜を買って帰るようになってて、短大時代の友達も大学生の彼氏もみんな地元に行って寂しくて、新しい彼は恋人兼友達だった。

夜、無性に淋しくなって、彼に電話した。
携帯電話はあったけど、まだメール機能が付いてなかった。
夜の10時を過ぎていたけど、30分後に彼がセリカで来てくれた。
次の日休みじゃなかったのに、私、嬉しくて彼に抱きついて泣いた。

シャワーも浴びずに彼をベッドに押し倒して、キスしながら、彼が勃起していくのを感じてた。
そして、下だけ脱いで、今までにないくらい甘いセックスをした。
私はヌルヌル、彼はガチガチ、生のまま入ってきたけど構わなかった。

凄く感じて、自分でもメッチャ興奮してるのがわかった。
それまで、「大好き」しか言ったことなかったのに、彼を見つめて、
「愛してる…」
って初めて言った。

彼がゆっくりピストンし始めると、あまりの快感に頭の中かが真っ白になって、腰と膝がガクガクしていくのが分かった。
大好きな彼が私のために寄中に来てくれて、嬉しい気持ちと、思いがけず抱かれた快感で、彼が果てるまで何度もイッた。

身体がガクッ！ガクガクッてなって、あんな、連続して何度もイッたのは初めてだった。
彼の精液を浴びながらも、ガクガクが暫く止まらなかった。
あんな痙攣が止まらないほど気持ち良くて、幸せな気持ちになるセックスって、初めて知った。

私、短大卒だから、大卒のような責任ある仕事は回ってこなくて、大卒社員のアシストばかり、面倒な部分だけを押し付けられてる気がして、だんだん病んでいった。
彼がそれに気づいて、医者でカウンセリングを受けるように勧められて、彼に連れられて病院に行ってみたら、私、鬱だった

彼、医師の話を聞いて、深く頷いてた。
私は上の空だったけど、彼、私に仕事を辞めて帰郷することを勧めた。
でも、それは彼とのお別れを意味した。

「君、俺でも気づくくらいだから、相当ヤバい状態だぞ。このままだと、君が壊れてしまう。大事になる前に、実家、帰った方がいい。ここまで来ると、僕じゃダメだ。」
「イヤだ。別れたくない。」
「俺だって別れたくはないけど、このままだと本当に壊れる。そんな君を見たくない。」
私、床に両手をついて、嗚咽した。
彼は、私のために、私を諦める…哀しいのは私だけじゃない…
「分かった。仕事辞めて、実家帰る…ありがとう…」

両親に話したら、「帰っておいで」と言われたから、その月いっぱいで、入社４年目の仕事を辞めた。
毎日荷造りして、荷物だらけの部屋じゃなくて、金曜日、彼の部屋で最後の夜を過ごした。
最後のセックス、彼がくれた歯の浮くような愛のセリフ、心に沁みた。
翌土曜日、一緒に食事して、セリカでアパートに帰り、荷物をトラックに積んだ。

「送るよ…」
と言った彼、駅まで送るのかと思ったら、高速に乗った。
クオーーーンという軽快なエンジン音と共に、車はどんどん進んだ。
途中、サービスエリアでお食事して、高速道路で２時間、一般道１時間、私の生まれ育った街についた。

「この街で、君が生まれて、育ったんだね…そして、この街で、いつか君はお母さんになるんだね…」
その言葉を聞いて、涙がとめどなく溢れた。
彼も、泣いていた。

私の母校の高校の近くの喫茶店で車から降りた。
「送ってくれて、ありがとう。最後の優しさ、ありがとう。私、元気になるから…」
「ああ、元気になってな。故郷は、優しく迎えてくれるからさ。じゃあな。俺、行くわ。さよなら。」
「さよなら。元気でね…」
青いセリカが、走り去って行った。

彼とセリカの写真、ウェストポーチに戻して、物置に残した。
私にとって、彼は忘れてはいけない人だ。
私のために、私を諦めてくれた、恩人だ。

彼は、私を新幹線で帰すと、道中辛くて泣いてしまうことを察して、車で３時間以上の道のりを送ってくれたんだと思う。
本当は、彼に再会して、お礼が言いたいです。
「あなたの言うとり、この街でお母さんになったよ。」
って、幸せな結婚ができたことを伝えたい。