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さよならバイブ

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おっぱい大好きおじさんさんから投稿頂いた「さよならバイブ」。

前回、 こんにちは タラチネ信用金庫です を投稿した者です。

7歳の頃、同級生のお母さんのおっぱいを父が吸っているところを目撃してから、すっかりおっぱいに魅せられてしまった私。
現在はフリーライター兼、自称『おっぱい研究家』として糊口をしのいでいます。

どんなに深く愛し合った男女でも
ちょっとしたボタンの掛け違いや
小さなつまずきで
それまで築き上げてきたものが
音を立てて崩れてしまうことがあります

ましてや
経済的に困窮したとなると
与える側と
与えられる側とでは
感情的に
大きな齟齬が生じます

愛があれば…

そんな甘い言葉では
もうその溝は埋まりません

でも

唯一
無償の愛を
与え続けてくれる存在がありました

コロナ禍が落ち着いた頃
ある男性が
そんな体験を語ってくれました

…………

「ボクは才能もないのに物書きを志していました…」

タカシさんという38歳の男性です

「C学時代に作文を先生に褒められて
その気になってしまったんです…」

家庭の経済事情で大学への進学は叶わず
タカシさんは小さな印刷会社に勤めながら、地道に創作活動を続けていました

「そんなとき直美と出会ったのです…」

休みの日に図書館へ行くと、決まって同じ席でひとりの女性がいて本を読んでいたのです

何気なく彼女の読んでいる本を見ると
タカシさんの愛読書でした

「あまり読んでいる人の少ない作品でしたから、思わず話しかけてしまいました…」

いきなり声をかけられて、はじめは彼女も驚き戸惑った様子でしたが、やはり同じ作品を愛読する者同士
すぐに打ち解け
やがて交際へと発展しました

「同い年の彼女も働いており
ほどなくボクらは一緒に暮らしはじめたのです…」

小さな借家でしたが
本に囲まれた
ふたりの生活がはじまります

初めてふたりが結ばれた日
タカシさんは
直美さんのガラス細工のような
繊細な身体に触れ
何度も
何度も
昂まりを放ちました

「静かな夜に彼女は震えていました
お互いに初めてでしたから…」

ある日

直美さんが雄の仔犬を拾ってきました
彼女の職場の近くで
雨に打たれ震えていたのです

「ボクたちに家族が増えました…」

タカシさんはその仔犬を
“ バイブ ” と名付けました
それは
作家として必要な
『直感』という意味を込めたのです

「なんだかイヤらしい名前…」

直美さんはそう言って
恥ずかしそうに仔犬を抱き上げました

「バイブ…ずっと一緒よ」

ふたりと一匹の生活となり
バイブはまるで子どものように
ふたりを繋ぎました

タカシさんと直美さんが愛し合う傍で
バイブは伏せをしながら
その様子を静かに見守っていました

「ボクたちが事後の余韻に浸っていると、バイブが間に入って来るんです…」

ふたりの仲睦まじさに
安心するかのように
バイブも小さく寝息をたてました

しかし

そんな生活に
小さな亀裂が入ります

「ボクの勤めていた印刷会社が倒産してしまい、職を失ったのです…」

タカシさんはそれを機に
物書き一本で
活計を立てることにしました

「でも…小説など全く書き上げたこともなく無謀な選択でした…」

必然的に直美さんの収入のすべてが
生活費となりました

しばらくは
直美さんもタカシさんに理解を示し
何も言わずに日々を送っていましたが
やはり不安を感じたのでしょう

「夜…直美の身体を求めても
拒まれるようになったのです…」

自分が無職の負い目もありましたので
タカシさんも
あまり強くは出られません

でも
次第に直美さんの様子に
変化が現れてくると
タカシさんは勘ぐりました

「帰りが遅くなったり、休みの日に出かけたり…男ができたんだろうと…」

タカシさんの『直感』は当たります

ふたりの激しい言い争いを
バイブは悲しげな目で見ていました

「じゃあどうすれば良いんだ!
そうボクは言ってしまったのです…」

たいていの事なら
乗り越えてきたのに
最後の答えは
聞かなくてもわかりました

そして

タカシさんは
ひとり出て行きました

………

先月でした

ボクは道路工事現場で
クルマの誘導係をしていました

休憩時間に
縁石に腰掛けていると
歩道をリードをつけたまま
犬がこちらに走ってきました

ボクはその犬を見て
すぐにわかりました

バイブ!

そう
ボクと直美の
バイブだったのです

バイブはボクを目掛けて
飛びかかり
顔を舐めながら
ちぎれんばかりに尻尾を振っています

「バイブッ…おまえ…よしよし」

ボクもバイブに顔をこすりつけ
頭を撫で
力いっぱい抱きしめます
感無量でした

その時です

「 “ ベイブ ” ッ!ダメじゃないかッ」

身なりが良く
背の高い男性が走ってきて
バイブのリードを掴みました

「危なかった…さあ行くぞベイブ」

男性はボクに一瞥をくれると
何も言わずに
バイブを引っ張っていきます

「あぁ良かった…ハアハア…もー
急に走り出すんだから “ ベイブ ” は…」

息席切って走ってきた女性は
ボクの姿を見て言葉を詰まらせました

「な…直美…」

ボクが薄汚れた顔を上げると
直美は一瞬息を飲みましたが
やはり何も言わずに
男性とバイブを追いかけて行きました

「コージッベイブッ待ってよぉ〜(笑)」

直美はコージと呼んだ男性の腕に
自分の腕を絡め
身体を預けながら去って行きます

バイブだけが
寂しげな眼差しで
何度も
何度も
ボクを振り返りながら
雑踏のなかに消えていきました

バイブ…
おまえはもう
ベイブって名前になったんだね

淋しいのは
おまえだけじゃないんだ
だから
いつまでも
元気でいてね

さよなら “ ベイブ ” …

………

犬は
どんなことがあっても
無償の愛を与えてくれます

長々とお読みいただきありがとうございました。
また投稿させて頂きます。

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