マリさんから投稿頂いた「旅行先の温泉旅館で自慢の彼女が」。
真理――
バイト先の後輩で、一つ年下。
あの夏、彼女は二十一歳。身長は170センチ。
出会った瞬間から、そのダイナマイトボディに目を奪われた。
100(H)―70―96という信じられないプロポーション、
くったくのない笑顔と、少し抜けたところもある天然な性格。
見ているだけでよだれが出そうな、誰もが振り返る女性だった。
八月、二人で千葉へ一泊ドライブ旅行。
海沿いを走り、道の駅でアイスを食べ、砂浜ではしゃぐ真理を写真に収めた。
彼女の無邪気な笑い声が、波の音に混ざって心地よく耳に残っている。
夕方になり、予約していたはずの旅館に向かったが、まさかの「ご予約が確認できません」の一言。
この時、適当なラブホテルにでも飛び込んでいれば、
あの夜の悪夢には巻き込まれずに済んだのかもしれない。
けれど真理は、「せっかくだし、勝浦でおいしい魚食べたい!」と笑って、
俺もつい、その期待に応えようと、空いている旅館を探し続けてしまった。
ようやく見つかった和風旅館は、安いだけあって活気がありすぎた。
ロビーには巨大なスポーツバッグが山積み。
東京のK校の柔道部が合宿で宿泊しているらしい。
旅情もくそもない賑やかさだったが、
真理は「修学旅行みたいで面白いかも」と、少し楽しそうに微笑んでいた。
夕食は上等とは言い難かったが、新鮮な魚が並び、
ビールや日本酒を酌み交わし、二人ともすっかり酔いが回っていた。
「明日も海、行こうよ」「朝市で魚、買いたいね」
他愛のない会話と、ほんのりした酔いとで、
俺はこの夜がずっと続けばいいのにと思った。
食後、真理が「せっかくだし、温泉入ろうよ」と言い出す。
旅館には露天風呂があり、中庭を挟んで男女別の湯船が向かい合っていた。
「じゃあ、30分後に部屋でね」と約束して、それぞれ浴場へ向かう。
男湯に入ると、柔道部の悪ガキたちが垣根の方を気にしてざわざわしていた。
「今、女湯にすごいの入ったぞ」「絶対やばい体してるって」
誰かが言うたびに、俺の胸の奥がざわつく。
やがて女湯の脱衣所で衣擦れの音がし、
真理がゆっくりと湯に入ってきた。
湯気越しでもはっきりわかる、ありえないほどの胸。
洗い場でタオルを外し、体を流す動作だけで、丸みのある胸が強調される。
「見ろよ、あれ……マジででけぇ……」「これ、二年の山田より絶対デカい」「三年の松本先輩も勝てないって!」
童貞丸出しの悪ガキたちは、湯気の向こうにくぎ付けだった。
真理が湯船に入ると、胸の先端が湯気の合間にちらりと見えたのか、
「うわっ、今、乳首見えた!」「色、やば……」
「人生で一番ヤバいもん見てる」「今日死んでもいいかも」
下卑た声が漏れ続け、
「オレも一回触ってみてぇ」「マジでどんな感触なんだろうな」
妄想が現実になりそうな勢いで盛り上がる。
俺は湯船で悔しさと苛立ちを噛みしめるしかなかった。
自慢の彼女が、垣根一枚向こうで童貞たちの視線と欲望の的になっている。
その現実が情けなくて、腹の底からじわじわと沸き上がる不安が消えなかった。
風呂を上がり、部屋に戻った。
約束した30分が過ぎても、真理は戻ってこない。
「女湯が混んでるのか」「髪を乾かしてるのか」と自分に言い聞かせるが、
10分、20分、30分――廊下の足音や襖の音に反応するたび、期待と不安が交互に襲う。
時間が過ぎるごとに、不安が焦燥へと変わっていく。
浴衣の帯をきつく握りしめ、とうとう部屋を飛び出した。
女湯の前に立ち、暖簾越しに「真理!」と声をかけるも返事はない。
通りがかった女中さんに頼んで浴場を見てもらうと、「今はどなたもいらっしゃいません」と静かに告げられた。
その瞬間、頭の中で何かが崩れ落ちる。
そこからは、理屈も順番もなかった。
旅館のロビー、階段、廊下、休憩所、宴会場、非常階段、トイレ……
思いつく限りの場所を駆け回り、
「真理!」「真理!」と声を枯らして探し続けた。
だが、どこにもいない。
焦りと絶望だけが、胸の奥に広がっていく。
廊下の奥、ふだん誰も近づかない古びた布団部屋の前。
そこだけが、妙に静まり返っている。
扉の向こうから、くぐもったざわめきと布団の擦れる音、
そして――
「あっ……やめて……」
真理のかすれた声が、微かに漏れ聞こえてくる。
思わず扉に耳を寄せると、
「すげぇ……」「やわらか……」「でけぇ……」
童貞たちの低く興奮した声が交じり合い、
ときおり布団の上で何かが動く音が重なる。
「ほら、もう立ってんじゃん」「これ、本物だぜ……」「彼氏、どんな気持ちなんだろうな」
断片的な会話と、真理の短い吐息や苦しげな「やだ……お願い……」という声が、現実感をもって耳に刺さる。
その瞬間、ガラリと襖が開いた。
明かりと熱気、そして悪ガキたちのざわめきが一気に廊下に溢れ出す。
「何してんだよ、コイツ」
背後から強い腕に首を絞められ、あっという間に畳に押し倒される。
視界がぐらぐら揺れながら、部屋の奥を見上げた。
鴨居から伸びる浴衣の帯で両手を高く頭上に縛られた真理。
膝立ちで前屈みの姿勢。
肩で息をして、紫色のブラジャーだけを身につけている。
重力に引かれて下にぶら下がった胸は、
普段以上に大きさも丸みも強調されている。
ブラのカップからはみ出しそうな乳房、大きめの乳輪。
下から眺めるその光景は、現実とは思えないほど生々しく、
無防備に、彼女の“女”としての全てが晒されていた。
柔道部の悪ガキたちが、前屈みの真理の身体に群がっている。
「近くで見ると、やっぱヤバい……」「手が震える……」「これ本当に入ってんのかよ、ブラに……」
一人がブラの上から胸を持ち上げて、もう一人は下から押し上げ、
「ほら、見てよ、彼氏。毎日触ってんでしょ?」「どんな気分?」
俺の方を見て、ニヤニヤと意地悪く笑いかけてくる。
「マジで羨ましすぎ……」「なあ、オレにもやらせてよ」
指がブラの端にかかり、少しずらして乳輪と先端をつまむと、
「わ、立ってきたぞ……」「やっべ、本物だ……」
童貞らしい興奮と無邪気な戸惑いの声が入り混じる。
「人生で絶対こんなの見れないと思ってた……」「彼氏、これ見てどう思う?」
「ねえ、こっちも順番な、オレも……」「あ、やべ、柔らかすぎる……」
無遠慮な指や手のひらが、順番もなく入り乱れ、
ただただ未経験の感触に夢中になっている。
「うわ、いい匂いする……」「手洗いたくないな、もう……」
「真理さん、彼氏の前でこんなことされて、どんな気分?」
「オレ、今人生で一番楽しいかも……」
俺は畳の上で、
何もできずに、
惨めさと屈辱、
怒りと絶望で奥歯を噛みしめるしかなかった。
自慢だった彼女が、
童貞の悪ガキたちに好き放題にされていく――


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