名無しさんから投稿頂いた「老春 (青春)」。
妻が亡くなって二年、コロナ禍で引き籠りだったが、コロナも収まり、思い切って朝の散歩に出る事にした。
三月に入り、春の日差しが温かく感じ始めた。妻と散歩をした緑地公園で早朝の散歩を始めた。散歩をする人も少なく、その中で歳の頃七十前後の女性が前の方向から軽い足取りで歩いて来る。
すれ違う場所は緑地公園の資料館付近。日が経つにつれ、軽く会釈を交わし、次第に朝の挨拶、気候の挨拶へと。言葉を交わす内に愛しく感じる様になって行く。
彼女の気持ちは分らないが、同じ思いだろう。
彼女から「おはようございます。何時もお元気そうで。お一人ですか」と声を掛けられた。
「妻が一昨年亡くなりまして」
「お寂しい事ですね」
数分の立ち話。声を掛けられただけで胸が弾む。その日一日、彼女の名前も聞かずにいた事が悔やまれた。
9月に入ると朝は涼しく感じられる。彼女が布袋と水筒を持って待って居た。
「おはようございます。朝は未だですか」
公園の木陰の芝生の上にビニールシートを引き、サンドイッチと水筒に入ったコーヒーを。
「奥さん、お一人ですか」
「えぇ。主人が亡くなって5年になります」
「そうですか。若くしてお亡くなりに。寂しいですね」
「あら、そんなに若くは無いですよ。16年生まれの82歳ですわ」
「そうですか!ぼくと同じ歳、七十前後と思っていました」
数日後、近くのスーパーで
「お買い物?」
「今日は刺身の特売日で。今夜はこれで晩酌を。」
「そうですか。良ければわたしの家で如何ですか」
彼女は刺身を買い物袋に
場所は公園を挟んで向こうの住宅地。直ぐに分かった目印の赤い軽自動車。
表札は旦那の名前の横に千代子。それまで名前も聞かずにいた。
食卓に彼女の手料理。買った刺身で日本酒をご馳走になった。
二人で囲む食卓思い出話を語り合う。彼女の振舞いに女らしさを感じさせ、この歳になっても衝動に駆られる。
この日から、老いた恋人気分で、時には彼女の作った弁当を持って、郊外に出掛ける事が多くなった。
ぼくは妻とは見合い結婚。四か月で結婚し、一年後には子供が生まれ、二人でデートの経験は少なかった。
クリスマスに自宅に誘われた。ぼくはパールのネックレスをプレゼントした。
「まぁ。こんな高価な物を。嬉しいわ」
早速首に掛け、嬉しそうに微笑む。
二人で近くの神社へ初詣。着物姿の胸にネックレス。
一段と華やかさを感じる。
一年ほど過ぎた日、彼女の自宅へ招かれた。
「誕生日おめでとう」
突然で驚いた。
腕時計のプレゼント。
「ぼくの誕生日を」
「去年のクリスマスに、ぼくの誕生日は20日。クリスマスに近いので祝って貰った事は無いと」
良く覚えていてくれて嬉しい。時間の過ぎるのを忘れ8時を過ぎていた。
帰りの支度をしていると
「もうこんな時間。外は暗く寒いので、今夜お泊りになっては」
「そんな。千代子さん一人の家に」
「まぁ、なにを思っていらっしゃるの。わたしたちそんな歳では」
彼女の頬が赤らみ、風呂を勧められ、湯上りに
「ごめんなさい 亡くなった主人の物ですが」
洗濯をしたパジャマ。それを見て何処か寂しそう。
客間に案内され、今まで抑えていた理性を失い彼女を抱いた。
彼女も拒むことなく愛し合った。
翌朝、彼女と手を繋ぎ散歩に出掛けた。
二人で新年を迎え、彼女と初詣。
ぼくの腕には時計、彼女の胸には白く輝くパールのネックレス。
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コメント一覧 (1件)
たまたまこの投稿を読んで今まで「もう歳だ」と踏み切れなかった好きな女性に想いを伝えてみま
した。私は62歳、定年を迎え今は雇員として引き続き働いているバツイチ子無しです。
趣味が山登りで隣町の山の会に入っていますがそこの仲間の聡子さんと言う78歳の女性のことが
気になっていました。16歳年上で会のリーダー格で憧れていたけど立場的にも年齢的にも雲の上
の人のような気がしてウジウジしていましたがこの投稿を読んでダメ元で「一度お話したい」と書いた
メモをハイキングが終わって解散するときにそっと渡しました。
聡子さんは最初驚いたような顔をしていたがすぐに何気なくポケットに仕舞ってくれ、解散後すぐに
電話があり、お茶したいと伝え少し離れたファミレスで会いました。
聡子さんの方から積極的に話をリードしてくれて3時間後にはホテルにいて、落ち着いてから腕枕で
小柄な聡子さんを抱きながら聡子さんが言うには「私の方をいつもチラチラ見ているのを知っていつ
誘われるかと楽しみにしていたのだそうでメモを受け取ったときは「やった~」と思ったそうです。
聡子さんもご主人を4年前に亡くされ今は独り住まい、先週からは私が聡子さんの家に泊って今日は
荷物を取りに来て整理しているところです。
まだ結ばれて2週間なのに殆ど毎日SEXして新婚夫婦のような気持ちです。
2人とも結婚し孫がいる子供がいるのでいつ紹介しあおうかとワクワクしながらもこそばゆい幸福感に
酔っているところです。
聡子さんは山の会のリーダー格で男性でも顎で指示していてハキハキしているところが気に入っていた
けどお風呂で私を仰向けに寝かせ顔に跨り放尿しそれに喜んで飲んでいる変態カップルでもあります。