元彼さんから投稿頂いた「遠い昔に愛したスレンダー美人の元カノ」。
嫁と付き合う前、結婚したかった元カノが居る。
スラッと長身で、逆三角の小顔の八頭身美人だった。
あまり胸が大きくないのを気にしてたが、あれだけの美人なら気にならないレベルだった。
セックスも積極的で、遠慮なく喘いだし、快楽を貪ってた。
細い足を広げ、縦長のマンコを舐めるのが好きだった。
細長い四肢をヒクつかせ、淫らに喘いでいた元カノの姿を今でも忘れない。
「ああ~~もっと舐めて~~」
あの美人の口から出るとは信じられないセリフだった。
元カノとは結婚の話をよくしてて、一緒になったらどこら辺に住みたいとか、家事の分担はどうしたいとか、話してた。
そんな時、東日本大震災が起きた。
俺が住んでるあたりでも震度4の揺れだった。
世の中、明るい話をしてはいけない雰囲気が漂い、結婚の話も遠のいた。
震災から半年、俺は、震災復旧応援のために福島県の海沿いの町に行くことになった。
原発にそう遠くない場所だけに、元カノについてきて欲しいとは言えなかった。
それは元カノも感じてて、二人、俯いたまま、どうにもならない運命に打ちひしがれた。
「俺、一人で行くよ。君を連れていける場所じゃない。」
「分かってる。私が行くと言えば、両親に反対される。」
「別れられなくなるから、もう、会うのは止そう。今日で、さよならだ。元気でな。」
「お体、気を付けてね。元気でね。さよなら。」
俺26歳、元カノ24歳、別れの乾杯をして、居酒屋を出た。
「君から行ってくれ。見送られるのは苦手なんだ…」
去ってゆく元カノの細い背中を見送った。
応援部隊はプレハブの宿舎に入り、災害復旧に当たった。
近所に商店や食堂はなく、というか全て流されて無くなってて、食事は会社側で用意してくれたものを食べてた。
俺たちがしたのは復旧というより、がれきの処理や運搬だった。
福島県の海辺の町には1年いて、その後、内陸部の福島市に移った。
内陸部なので津波は無かったが、多くの家が瓦にダメージを負い、屋根にブルーシートを被せているのが目立った。
福島市では、単身者用のワンルームのアパートに住んだ。
さすがにまちの規模が大きいから、不自由はしなかった。
やがてまちにも慣れて、彼女もできて、そして29歳で結婚した。
この頃にはスマホになってて、ラインが流行ってたが、ふと、めったに使わなくなりつつあったアドレス帳を開き、元カノのメルアドを眺めた。
俺の結婚を報告しようか迷ったが、結局しなかった。
かといって消すこともできず、今でもスマホに残っている。
30歳の時、応援部隊が引き上げになった。
嫁を伴い、福島市を離れた。
実家には兄貴が入ってたから、俺は少し広めのアパートを借りて、子づくりを始めた。
元カノと過ごしたまちに戻り、元カノは元気だろうか、結婚しただろうか、幸せだろうか、気になったけど、会いに行くことはしなかった。
スレンダー美人な元カノと比べて、ムチッとした嫁は可愛い女だが、垢抜けない福島っ娘で、性格はおっとり、気立てのいい女だ。
セックスを凄く恥じらい、子作り中出ししたのが生まれて初めての中出し経験で、
「あ、あ、あ、出てる…私の中に精液が出てる…大好きな人の精液を貰えるって、嬉しい…」
と微笑んだ顔が可愛かった。
俺は31歳で父になった。
34歳の時に第二子にも恵まれ、穏やかな幸せの中に生きている。
アラフォーと呼ばれる年になった今、震災の記憶も遠くなってきた。
年に何度か嫁の実家に子供たちと遊びに行くが、応援に来ていた時の思い出がいっぱいあって、その時に震災を思い出しだ。
嫁の実家でテレビを見てると、福島でしかやってない番組やCMを見るたび、元カノと別れて応援に来た日のことを思い出す。
先日、フラッと立ち寄ったコンビニで、スレンダー長身の母親と女の子を見かけた。
時折見せる仕草、元カノだった。
明らかに俺の上のより大きな女の子と一緒で、俺より先に結婚してたんだなと思った。
チラ見しただけで、声はかけなかった。
支払いを終えてコンビニを出そうだったから、雑誌を立ち読みしてるふりをしながら、横目で視界のぎりぎりで元カノを見送った。
コンビニを出る瞬間、俺を見たのが分かった。
きっと元カノも俺の左手の結婚指輪、確認しただろう。
コンビニの式とを出るとき、元カノはもう一度振り返ってから去っていった。
元カノの姿が見えなくなってから、買い物してコンビニを出た。
子連れで幸せそうな元カノを見て、声をかけずに見送ってよかったと思った。
妻子持ちの俺が元カノにできる事は、元カノが幸せそうだということだけ確認したら、声をかけることなく見送り、今後の元カノの幸せを祈る事だと思った。
そして、今一緒にいる嫁を大切にする事だ。
どんな過去や経緯、残る思いがあったって、共に人生を歩めなかった、つまり俺と元カノは縁がなかったということだ。
遠い宇迦氏に愛した元カノを見かけたので、その思い出を記す。
感想などコメントをどうぞ!投稿していただいた方の励みになります!
コメント一覧 (2件)
俺も応援部隊で福島市にいたよ。
俺が担当したのは除染。
結局4年いて、やっぱり福島の女の子と結婚した。
そして妻の実家にも帰るけど、福島駅からローカル私鉄で行くんだ。
ガタゴト走る2両編成の電車、可愛いくてなんか好きだな。
田舎と都会が程よく混じってて、ただ、夏がめっちゃ暑いのと、雪が深いのが難点かな。
でも、俺と同じような人っているんだね。
幸せなのを確認する。
良かったねという気持ちと、自分が幸せにしたかったという気持ちが交錯する…
そんな人、一人いたな。