元彼さんから投稿頂いた「嫁との馴れ初めとずっと心の片隅にいた元カノのこと」。
色んな女と付き合ってきたけど、なかなか結婚に至らないまま三十路を迎え、結局結婚したのが10年前、俺32歳、嫁28歳の時だった。
なかなか結婚できる相手と巡り会わなかった俺が、嫁と巡り会ったのは大震災の時。
いや、元々知り合いで良い雰囲気になりかけたこともあった女で、大震災で一晩寄り添って過ごして、絆が生まれた。
そこからは早かった。
4月のゴールデンウィークには男女の関係になり、壊れた彼女のアパートから、無事だった俺のアパートへ使えそうな荷物を運びこみ、31歳の俺と27歳の嫁が一緒に暮らし始めた。
嫁の傾いたアパートを片付けているとき、押し入れから年賀状ファイルが出てきて、その中に小型の写真帳があった。
丁度嫁は昼飯を買いに行ってていなかったから、見ると、嫁と元彼のハメ撮りだった。
デジカメデータをプリントしたやつで、20代前半に見える若い頃の嫁が、元彼の生チンポ入れられて、乳揉まれながら喘いでいた。
正常位、騎乗位、対面座位、後背位、色々な体位で結合部丸晒しで、嫁が生ハメされていた。
全裸、浴衣の半裸、ちょっと無理があるセーラー服など、コスプレもあった。
どれもこれも、嫁は蕩けそうな顔で生チンポハメられてた。
全部で50枚くらいプリントアウトされてて、おそらく流出を恐れて元データは消したんだと思われた。
なぜなら、俺も元カノとのハメ撮りをプリントアウトして、データは消したから。
嫁は、この元彼に未練あるのだろう。
俺がハメ撮りを持ってる元カノは、まだ未練がある元カノだから、嫁も同類なんだろう。
俺は、小型の写真帳を年賀状ファイルに戻して、押し入れにしまった。
そして、俺が未練を残す元カノの事を思い出していた。
俺がハメ撮りを残した元カノは、俺が26歳から28歳にかけて付き合った5歳年下の女の子だった。
あまり気持ちを言わない、物静かな子で、本当に俺って好かれてるのかなと思った。
短大を出たばかりの子で、短大時代の元彼にこっ酷い振られ方をしたことがあるようで、時々、何らかのトラウマを感じるときがあった。
嫁に隠れて、元カノのハメ撮りを見た。
俺は、アルバムではなく、縛って紙袋に入れていた。
嫁の元彼もそうだけど、ハメ撮りするやつって、必ずセーラー服コスプレはやるよね。
俺も元カノにセーラー服着せたハメ撮りがあった。
ハメ撮りは安全日にやってて、全て中出し。
少なくても嫁よりは、幼顔だった元カノの方がセーラー服は似合ってた。
上だけセーラー服着て、М字開脚で生チンポ入れられてヨガる元カノ、あんな顔してヨガる女子高生はいねえよってくらい、普段大人しい元カノが本気でヨガった。
元カノと付き合ってて、なんだかセックスするために付き合ってるような、そんな感じがしてきた。
可愛いよとか、好きだよとか、俺は言ってたけど、元カノはあまり言葉で表現しなくて、元々言葉数が少ない大人しい子なんだけど、愛し合ってるか疑問になっていったんだ。
そんな気持ちは、俺の態度に表れていたようで、元カノもそれに気づき始めたけど、解決策を見つけることができないまま、セックスの後にドッシラケ状態になって、
「なんだか俺たち、もう、終わりなのかな…」
「あなたがそう感じるなら、終わりなんじゃない…」
「上手く伝えられないけど、今までありがとう。」
「さよなら…元気でね…バイバイ…」
元カノもあれ以上の白けた雰囲気になることは、耐えられなかったようだった。
呆気なく終わった元カノとの恋に、あんなに抱き合ってたのが、嘘のようだった。
別れた後に、色々と気づいた。
元カノは、いつも俺が気付かないようにさりげなく、自然な感じで気遣いしてくれていた。
元カノと別れたら、ああ、今まで元カノがやっててくれたんだ…と思うようなことが、たくさん出てきた。
元カノが居なくなって、それを自分でして初めて気付いた。
優しい、気立てのいい女の子だった…
愛してなけりゃ、してあげられないのに、俺はそのことに気づけなかった、元カノの彼氏失格だった。
失格彼氏だと気づいたから、元カノを追うことなく、そのまま別れた。
元カノには、もっと相応しい気付ける男が良いと思った。
元カノと別れてから、俺はずっと彼女を作らなかった。
誰と付き合っても、俺は気づけない男なんじゃないかと思ってた。
俺では幸せにできないと、元カノを諦めたけど、失った元カノの大きさに気づいていった。
だから、嫁と知り合って、いい女だなと思ったけど、交際する勇気が無かったから、そういう雰囲気になるような仕向けはしなかった。
気の置けない友達の一人として、バカ話したり、酒飲んだりしてた。
あの日、俺は外回りしてて、立っていられないほどの強烈な揺れに見舞われた。
帰社しようにも、電車も止まって動かなくて、どうにもならなかった。
途方に暮れて歩いていると、チラチラ雪が舞ってきて、どうしたものかと思ったら、アリーナが避難所になっていて、とりあえず身を寄せた。
別れた彼女は無事かな…とか、彼女だったらきっと隅っこで体育図割してるだろうな、と、別れて3年近くになる元カノを思い出していた。
そして、元カノの気持ちになって、隅っこに陣取った。
そしたら、後から入ってきた女が、
「アッ!」
と言ったので顔をあげたら、嫁だった。
避難所で顔見知りに会うなんて、とても心強かったし、しかもそれが気の置けない友達だったら尚更だった。
俺と嫁は、肩寄せ合って一夜を過ごした。
俺にもたれかかって寝てた嫁の横顔、化粧も崩れていたけど、可愛かった。
まるで恋人同士のように、俺に寄り添っていた嫁に、それまで抑えていた恋心が芽生えていくのを止められなった。
そして翌朝、会社からの安否メールが一斉に届き、無事を報告、指示あるまで自宅待機命令となった。
俺と嫁は、徒歩で嫁のアパート経由で俺もアパートに帰るはずだったが、傾いた嫁の住んでた木造アパート見て、とりあえず最低限必要なものを持ち出し、俺のアパートへ向かった。
俺のアパートは鉄骨造だったから、大丈夫と確信してたし、実際無事だった。
こうして、嫁は俺のアパートに転がり込んだ。
その後の事は、冒頭に書いたとおりだ。
元カノを忘れて嫁と暮らしたわけじゃなく、元カノの事はずっと心の片隅にあった。
消せない元カノの連絡先は、結婚してから嫁の勧めでスマホに変えた時に連絡債を整理した時まで、ガラケーに残ってた。
元カノの連絡先をスマホへの移行候補から外した時、元カノが幸せになっていることを心から願った。
先週、来年、子供が小学生になるので戸建てに引っ越しをするために、荷物整理してて、元カノのハメ撮りを見つけた。
俺は、紙袋に入れたまま、
「元気にしてるかな。幸せになってるかな…さよなら…」
と言って、それを可燃物入れに入れた。
そして、今はどこでどうしてるかわからない元カノの事と、嫁との馴れ初めを書き込んでみようと思った。
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コメント一覧 (1件)
素敵なお話でした。
読んでて優しい気持ちになりました。