出動さんから投稿頂いた「同棲していたプチ調教経験があった彼女の思い出」。
大学を出た後は田舎に戻らず、東京の会社に入社し、2年過ぎた頃、付き合っていた同期の女の子と同棲を始めました。
お互い24歳同士、そのまま結婚するための予行演習のつもりでした。
二人で借りたアパートは2LDKで私鉄の駅近物件でしたが、道路を挟んで向かい側が消防署で、救急車や消防車のサイレンが結構強烈で、窓を開けているとかなりびっくりしました。
特にセックス中なんかは、ドキッとすることもあるから、いくら2階とはいえ窓を開けてのセックスはできませんでした。
彼女、大学時代にプチ調教を受けていて、クリトリス吸引の経験があって、かなり敏感でした。
クリトリスにピアスを通されそうになって、それは嫌だったから無理やり別れて、マゾの呪縛から逃れたのです。
でも、時々いじめられたい衝動が起きて、乳首やクリトリスを洗濯ばさみで挟まれて責めて欲しいと言われました。
そんなときの彼女は、しとどに濡らしてイキまくっていました。
騎乗位で腰を突き出し、結合部を見せつけるようにし、腰をくねらせるたびに揺れる洗濯ばさみにイキ狂っていました。
あんな羞恥の姿を晒してくれるなんて、愛されているし、信用されているんだなと感じました。
普段の可愛くて明朗な彼女とはまるで別人になって、連続してイク彼女を見て、男性と違って、女性って何度も連続してイケるんだなあと思いました。
休日は夫婦みたいに二人でお買い物に出かけました。
ある日、消防署の前を横切ろうとした時、回転灯が光って「出動」の文字が掲示されました。
サイレンが鳴って消防車が走り出し、私たちは立ち止まりました。
すると彼女は「出動」の文字を指さして、
「しゅつどーーっ!」
と言ったら、その目の前を消防車が走って行って、大笑いしました。
それ以来、消防署の前を通るたび、彼女が指さしながら、
「しゅつどーーっ!」
と言うようになりました。
彼女との同棲が2年になったとき、彼女の故郷で父親と家業に勤しんでいた母親が倒れて、急遽帰省しました。
一週間ほどで戻ってきた彼女は、
「私・・・実家に戻らなきゃならなくなった・・・お母さん、ダメみたい・・・」
と言って泣き崩れました。
私は彼女を抱きしめ、共に涙を流しました。
故郷に戻るため、彼女の荷造りを手伝いました。
重苦しい空気の中、荷造りを終え、最後の夜を過ごしました。
翌朝、彼女の故郷に向けて荷物が旅立ち、私は彼女を駅まで見送りに行きました。
消防署の前を通るとき、彼女が、
「最後のしゅつどーーっ!」
と言って指さし、笑いながら駅に向かいました。
「東京駅まで来なくていいよ。思い出深いこの駅でサヨナラしよ・・・」
「元気でな・・・向こうでも頑張るんだぞ。もし、俺で力になれることがあれば、いつでもメールよこせよ。」
「うん・・・ありがとう・・・さようなら・・・」
「ああ・・・さようなら・・・」
彼女が元カノになりました。
彼女が居なくなった部屋にいるのは辛いから、私も引っ越すために不動産屋さんを巡りました。
そして、引っ越し先を見つけて、独り、荷造りをしていたら、彼女からメールが来ました。
「いろいろ心配かけて、ごめんなさい。お母さん、亡くなりました。」
「そうですか。ご愁傷さまです。」
と返信して、彼女の実家へ香典を送りました。
これが、彼女との最後のメールでした。
その後、私は29歳で25歳の女性と結婚して8年が過ぎ、二児の父となりました。
先日、仕事で昔の彼女と暮らした場所に行きました。
10年以上近付かなかった場所は、懐かしさと、切なさが交錯しました。
あの頃、彼女と歩いた消防署の前で、彼女の「しゅつどーーっ!」を思い出し、
「しゅつどーーっ!」
と言って、指さしてみました。
若かったあの頃の、幸せな思い出が蘇りました。
そして、彼女が今、幸せでいてくれることを祈りました。
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コメント一覧 (14件)
感情移入してしまいました。
情景が目に浮かぶお話ですね。
駅までの間に消防署…
練馬駅の南側界隈かしら?
最後のしゅつどーー!
っていうシーンでホロリときました。
いい話です。
自然と笑いあえる仲だったからこそ、お互いに一生を
共にしたかったでしょうね。残念です。
私は別れても、相手を思いやれる様な恋愛はないので、
そんな貴方の人間の大きさを感じます。
荷造りっていう言葉、なんか切ない。
エエ話やね。
心に染みるお話ですね。
思わず読み入ってしまいました。
良いお話ですね。
切ない思い出を共有します。
似たような思い出があります。
こういう別れ方は、未完の恋愛として引きずるものですね。
嫌いになって別れていれば、あれこれ思い出すこともないのだろうな。
なんか切ない
最近のコメントからのアクセス。
これ、素敵なお話ですね。
しゅつどー!
こんな
途中で送っちゃった。
しゅつどー!
こんな楽しい思い出、悲しく思い出すんですね。
素敵なストーリーでした。