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家族崩壊…罠に堕としてやる

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今井さんから投稿頂いた「家族崩壊…罠に堕としてやる」。

私(丸山)は、中堅商社勤務の49歳である。
ある取引先の、生意気な担当者を奈落の底に突き落としてやった時の事を記す。

斎藤は32歳なのだが、目上に対する敬意が全く無いばかりか、袖の下を要求してくる奴だった。
ただ仕事はでき、取引先でも出世は早く、社内結婚したばかり。取引先でも一番人気の有った優希(26歳)ちゃんをさらっていった。

ある日の夕方、斎藤から電話が来た。
『斎藤ですけど。丸山さん、今晩辺り赤坂で飲みたいんですが、接待宜しく。』
「今晩ですか?今からじゃ店が取れないかも…」
『大丈夫。変わりにお宅の名前で予約しといたから。7時にいつもの店で。』
用件だけ言って、さっさと電話を切るような奴だ。
しかも頻度が半端では無かった。
飲むだけ飲んで騒いで、家まで送らせる。毎回必ずこずかいをせびるのが奴だ。

時間になり、指定の店に行くと、奴は既に来ていた。
お気に入りのホステスを両脇に座らせ、殿様気分でいる。
「斎藤さん…遅くなりまして申し訳ありません。」
『気にしなくていいよ。それより、今度でかい発注するから宜しくね。』
キックバックの要求だ。
またか…
いい加減頭に来ていた私は、いつかこいつを貶めてやると考えていた。
愛想笑いしながら気分良く飲ませていたが、斎藤が言った一言が計画を実行する引き金となった。

『あのさ、今度は女の方も宜しくね。女房だけって歳でも無いしさ…』
「そうですか…若くて綺麗な奥様じゃ無いですか…」
『社内一番と思って結婚したけどね…彼女らの方がいいなぁ…』
「………考えておきます。」
『宜しくね。』
タクシーを呼び、いつも通り送らされるが普段より飲んだのか寝入ってしまった。

家の前に着き、インターフォンを押す。
優希ちゃんが出てきた。
『丸山さん、いつもすいません。貴方…起きて…』
『おい丸山。連れてけ。』
奴が起き様に言った。
『貴方。丸山さんに失礼でしょ。丸山さん申し訳ありません。』
「酔ってらっしゃるんで、私が運ばせて頂きます。運転手さんちょっと待ってて。」
奴をおぶさりリビングまで運び入れてやった。

申し訳なさそうに見る優希…
間近で見た優希は、以前より色気が増していた…
軽く挨拶を済ませてタクシーに戻る…
奴の信用を失墜させてやるのは簡単だが、普通の失墜のさせかたじゃ面白くない。
計画を練り始めた。

翌日も赤坂に赴き、奴のお気に入りのホステスに話を持ち掛けた。
昨日、女の世話をと言う話を聞いていた2人は金で落とした。
話の内容はこうだ…
次回来た時に、あるマンションで1人が一夜を共にして帰宅させない…次の夜ももう1人が同じ様に帰宅させない…次の夜は2人で相手して帰宅させない…さらにもう一晩帰さないという事で50万で話をつけた。
店を後にし、私が所有するマンションの各所に隠しカメラを配置して当日を待つ…
後は私の腕次第…
最悪、奴の信用を失墜させるだけになってしまうかもしれない…
胸が高鳴って来る…

其から2日経った木曜の夕方に奴から連絡が入る…
『丸山さん。今日も赤坂で7時に良いかな?。』
「はい、では後程…」
計画の実行だ…
ホステスに連絡を入れる…
打ち合わせ通りでいけるか確認する。
時間になり店に行く。
ホステスに目配せしながらタイミングを待つ…
ラストが近くなり、客の送りで店内には私達だけになる…
「斎藤さん…この前の話しですけど…今日・明日・明後日と彼女らが…」
『丸山さん…ホントかよ…冗談のつもりだったのに…』
眼を輝かせ心にもない事を言う…
「今日1人…明日1人…明後日は2人でのお楽しみで…場所も安全な所を用意しましたので、後でお送りします。」
『悪いね…』

アフターと称して1人を連れ出し、マンションに連れて行く。
部屋の灯りをつけ室内に通してやる。
壁一面の鏡に驚く奴が
『丸山さん…凄いねここ…』
「知り合いから4日借りたんで楽しんで下さい…」
鏡はマジックミラーになっているとも知らずにはしゃいでいやがる…
1ルームしかない部屋には、キングサイズのベットと一面の鏡しか無い…
「では私はここで…斎藤さん…明日は8時に店でお待ちしてます。ここはオートロックですので、気を付けて下さい…鍵は持ち帰りますので」
そう言って部屋を出て家路に着いた。

翌朝、会社に着くと、朝一番で電話が入った。
『丸山さん。あんた気に入ったよ。今晩も楽しみにしてるから。そこでだ、アリバイであんたの接待で、泊まりがけで出掛ける事にするから頼むよ…妻に連絡させるから上手いこと言ってよ。』
「はい。構いませんよ。では今晩…」
電話を切り、マンションに向かい録画したDVDを回収する。
会社に戻り暫くすると、優希から電話が来た。
『斎藤の家内ですが、丸山さんですか?…』
「ああ、奥様…どうなさいました?…」
『主人からお礼の連絡をするように言われまして…今晩から2泊で温泉に…いつもすいません…』
「気にしないで下さい…」
『今後とも宜しくお願い致します。』
電話をしながら昨晩の様子をパソコンで確認していた…

夜になり店に向かう。
奴は既に来ていた。
上機嫌で過ごしていた…もうすぐ地獄に落とされる事も知らないで…
蟻地獄の罠に懸かったんだよお前は…心の中で笑う…
昨日と同じ様にアフターと称して1人を連れ出し、マンションに連れて行く。
「斎藤さん…昨日と違うのは明日の夕方には…もう1人合流しますので…もしなんでしたらもう1日泊まりますか?2人を相手に…」
『いいの?女房は上手く誤魔化してよ。』
「もう1日延びると連絡をしておきますよ…」
『じゃあ頼むわ…』
「食事は此方で頼んで下さい…料金は大丈夫ですから。」
『すまないねぇ~此からもたのむよ。』
そう言ってマンションを出て帰路に着いた。

翌朝、マンションに行き、集合ボックスからDVDを取りだし交換する。
土曜休みで誰も居ない会社に行き、昨晩の様子を確認しながら優希に電話した。
「丸山ですが。斎藤さまの奥様でいらっしゃいますか?」
『あら丸山さん。いつも主人がお世話になっております。どうかなさいました?…』
「実は、ご主人様がいたく気に入られた様なので、もう一晩お帰りが延びます事を連絡させて頂きました。」
『まぁ、わざわざすいません。主人に連絡を取りたいのですが、携帯が繋がらないものですから…近くにいるなら替わって頂けませんか?』
「近くにはいらっしゃらないので伝言いたしますよ。携帯電波の届かない温泉にいますので…」
『では、電話するように申し付けて下さい…』
「分かりました…伝えられれば伝えますので…」
と言って電話を切った。
優希は考えたに違いない…
わざと意味深な台詞を残して電話を切ったのだから…
30分程すると優希から会社に電話が入る…携帯からだ…
しめしめ…

『斎藤と申しますが、丸山さんいらっしゃいますか?…』
「丸山は、本日お休みを頂いておりますが…お急ぎでしたら、折り返し連絡させますが如何致しますか?…」
『折り返し連絡頂けるようお願い致します。』
「かしこまりました。連絡を取り伝えさせて頂きます。」
そう言いながらDVDから何枚か制止画像をプリントアウトする。
優希の携帯に電話してやる…
「丸山と申しますが、社の方にお電話頂いたそうで…どちらの斎藤さまで御座いますか?…」
『丸山さん…斎藤の家内の優希です…携帯繋がるじゃ無いですか…』
「あっ…奥様…」
まずいという感じで答えてやった…
『何で主人とは繋がらないんですか?…』
「諸事情がございまして…」
『主人は何処にいるんですか?…一緒じゃないんですか?…』
「ちょっと電話では…申し訳ございません…」
『電話で話せないなら説明に来て下さい…主人は何処に居るのか教えて下さい。』
「此から伺いますので…」

怒り浸透の優希に、どう対処してやるか考えながら出向いた…
チャイムを鳴らすと優希が出迎えた…かなりムッとしている…
『丸山さんどうぞ…』
「失礼します…」
リビングに通されお茶を出された…
『説明して下さい。』
「奥様…申し訳ございませんでした…ご主人に頼まれてのアリバイ工作です…」
『えっ?…どういう事なんですか?…』
「私から聞いたとは言わないで頂けますか?…」
あくまで巻き込まれた被害者を装ってやる…
『はい…何処で何してるか知ってるんですね?…』
「ええ…」
『教えて下さい…』

「実は…接待で利用してるクラブのホステス2人と…いい仲になりまして…お楽しみ旅行中なんです…そのアリバイ工作を頼まれまして…立場上断れなかったんです…」
唖然とした表情になり…
『何処なんですか?…』
「佐久の方になります…軽井沢の近くです…」
『連絡できますの?…』
「掛かって来た時以外は…」
怒りに震え始める優希に…
「奥様…ご主人と何かございましたか?…グラブでの会話が気になりまして…」
『何もないですよ…会話ってどんな事ですか?…』
のって来た…
「ご主人から聞いた事ですので…怒らないで聞いて頂けますか?…」
『ええ…』
「では…奥様と居てもつまらない…飲んでた方がましなんだよ…ですとか…あいつより可愛い女なんかごまんと居るのに失敗した…ですとか…」
自尊心が崩れる様な事を羅列してやる…

『ですとかって…』
「言いにくいのですが、はっきり言いますので怒らないで下さい…抱いても面白くないし…締まりが悪いから気持ち良くならない…だから抱く気も失せるんだとか…誰か寝取ってくれりゃあ離婚の口実になるとか…欲求不満にして誰かに寝取らせるかとか…暫く抱かないから相手しろって言って…グラブの2人と…50万で遊びに…お金は…ウチの機密費から捻出させられまして…」
『酷い…何考えてるのかしら…丸山さん…事情も知らないですいません…主人がご迷惑描けてるんですね…』
「仕事ですから…けど…奥様の悪口には内心…頭に来ましたけどね…酷い言い種だなって思いましたから…」
『お優しいんですね…』
暗い表情になる優希…
「お食事まだでしたら、気晴らしにでもお付き合い頂けませんか?ランチにでも如何です?…」
躊躇し考える優希…
だめ押しするように…
「ご主人の浮気でランチ所じゃ有りませんね…」

浮気の言葉に反応する…
『本当に浮気なんですか?ただ遊びにって事は…』
「ご主人を信じたい気持ちは分かりますけど…奥様ならご主人の趣味がお分かりでしょう…ハメ撮り投稿が既にされているんです…」
『えっ?ハメ撮り?趣味がですか?…』
「ご存知じゃ…失敬…」
『どういう事ですか?何もかも教えて下さい…』
「参ったな…余計な事を言ってしまったようで…」
『隠さないで教えて下さい…お願いします…』
涙目で…うろたえながら聞いてきた…
優希の表情を見ながら…偽情報を吹き込む…

「仕事関係で弱い立場なんで黙ってましたが…ご主人の女癖の悪さは相当なもんでしてね…何人も世話させられました…そして…その女性達とのセックスシーンを会員制の投稿サイトに載せてるんです…俺の抱いた女シリーズというタイトルで…今回の2人で…丁度100人になります…」
『えっ?…丸山さんも会員なんですか?…』
「私は違いますが…ご主人から見せられました…奥様は有りませんでしたけど…奥様みたいに…素敵な女性が居ながら…と思ってみてました…今回も昨日のヤツがメールで何点か届きましたし…」
『見せて下さい…本当に主人なのか見せて下さい…』
「ご主人ですよ…見たらショックを受けるような写真ですけど…」
『見せて下さい…』
「仕方ないですね…」
プリントアウトした写真を見せてやる…
顔も結合部もハッキリ見える写真に言葉を失う優希…

沈黙の後に涙が頬を伝わり流れ落ちた…
「だから言ったじゃないですか…大丈夫ですか?…」
涙を溢れさすばかりで言葉が返せない優希…
肩は震え…悲しみにうち震えている…
そっと隣に座り…涙を拭くようにハンカチを差し出したがまともに受け取れない…
「悲しいかもしれませんが…此がご主人の本性なんです…奥様が悲しい思いをされるのが目に見えてしまって…」
溢れる涙が止まらない…
悲しみを包み込むように言ってやる…
「今は泣きなさい…泣いて少しでも楽になるなら…落ち着くまで、私が側にいます…ここに居ますから…」
そっと抱き頭を撫でてやる…

「何もしませんから安心して下さい…奥さんの涙を見ていたら、放っておけなくなったから…落ち着くまでこうしててあげますから…」
更に溢れだす涙の瞳で、一瞬だけ私を見詰め…胸にすがって泣き始めた…
黙って頭を撫でながら、そっと包み込むように抱いて…
甘くいい香りが鼻をつく…
力を込めて抱き締めたくなる気持ちを抑え、優しく介抱してやる…
どれだけ泣いていたであろうか…気付くと夕闇が下りて来ていた…
「奥さん…大分落ち着いたみたいですね…泣いて、少しは気分が晴れましたか?…」
『丸山さん…ありがとう…少し楽になりました…』

そっと優希を離しながら…
「もう夕方ですから、私はこれで失礼しますね…何か有ったら携帯に連絡して下されば来ますので…自殺なんて事は考えないで下さいよ…いいですね…」
『丸山さん…もう少し…居て頂けませんか?…ご迷惑でしょうけど…お願いします…こんな事…誰にも話せない…全てを知ってる丸山さんにしか相談出来ませんから…』
「迷惑だなんて思わないですよ…奥さんの事が心配ですから…私で良ければ…奥さんの気が晴れるまで居ますよ…」
『ありがとう…丸山さん…』
また優希を包み込むように抱き…頭を撫でてやる…時に耳に触れるように…
しなだれる様に胸にすがり付き涙を押さえようとするが、込み上げて来る怒りと悲しみに抑えきれないでいた…
そっとハンカチで涙を拭いてやる…
何度も…何度も…溢れる涙を拭いてやりながら…

「奥さんに涙は似合わないですよ…いつもの笑顔が一番です…私は…奥さんの笑顔に癒されてましたから…」
『えっ?…丸山さん…』
「ご主人を、お送りして来ると…必ず奥さんが出迎えに出て来られて…笑顔で応対してくれてましたよね…その笑顔に癒されてたんです…だから奥さんが心配なんです…」
『ありがとうございます…気を使って頂かなくても…』
「気なんか使ってませんよ…本音です…奥さんが会社に居た頃は、伺うのを楽しみにしてたんですから…」
『お上手ですね…主人曰く…魅力も無い女なのに…今なら口説けるとか思っているのかしら?…』
「口説けるなんて思ってるように見えますか?妻子有る身ですよ…本当に奥さんが心配なんです…」
『すいません…心配して下さってありがとうございます…丸山さんは…本当にお優しいんですね…』
「優しいですか…後10歳若くて独身だったら…口説いてたでしょうから…半分は奥さんが当たってます…」
『あら…残念…クスッ…』
「やっと笑顔が見れた…はにかんだ奥さんも素敵です…もう今のはにかんだ笑みは見れないから…一生の宝物になりましたよ…」
『丸山さん…本当にそんな風に思ってくれるの?…私なんかの笑顔で…』

「当たり前ですよ…奥さんの笑顔だから…そう思えるんです…年の差を恨みましたからね…チャンスすら貰えなかったって…」
『丸山さん…そう言って貰えて嬉しいです…そう考えると神様って意地悪ですね…クスッ…丸山さん…お食事行きませんか?泣いて…落ち着いてきて…笑わされたらお腹すいて来ました…此からなら泣いた顔も誤魔化せますし…』
「いいですよ…奥さんと、食事に行けるなんて、夢心地ですよ…」
『本当に優しくて面白い方なんですね…女性の扱いに慣れてらっしゃる様ですけど…』
談笑しながら軽く化粧を直す優希…
タクシーを呼び、個室イタリアンの店に向かう…
タクシーの中で予約を入れながら…
30分程で店に着いた。
個室に案内されコースに合うワインをお任せで頼む…

ワインが用意され乾杯した…
「奥さん…の笑顔に…」
『まぁ…丸山さんたら…ありがとう…』
料理に合わせて次々にワインが出て来る…
残さす飲み干していく優希…
食事も終わり店を出てきた歩く2人…
『丸山さん…軽く飲みませんか?』
「構いませんよ…この先のバーで良いですか?…」
『ええ…』
店に入りカウンターに寄り添い座った…
カクテルを頼んだ優希…
私はブランデーを頼む…
優希の、温もりが伝わってくる…話しは互いの耳許で囁けば聞こえてしまう距離だ…

他愛の無い会話の中…
「やはり笑顔が素敵だ…」
聴こえるか…聴こえないか…分からない程の声で囁いた…
『えっ?…ありがとう…』
はにかみながら優希が言う…
暫しの沈黙が2人を包む…
一杯…また一杯…
鼓動が伝わり合う…
『丸山さん…私って魅力無い女ですか?…』
「とんでもない…眩しすぎて眼も眩みます…こうして一緒に居られるだけで幸せになりますよ…」
『お上手…そうやって何人も女性を泣かして来たんでしょう…』
「そんな男に見られてたなんて…悲しいな…」
煽るようにグラスを空にして次を頼んだ…

バーテンがグラスに酒を注いだ…
優希は黙って私を見詰めている…
「そろそろ帰りますか…時間も時間ですから…」
『ええ…』
支払を済ませ店を出た…
『寒い…冷え込んで来ましたね…』
優しく肩に手を回し…
「そうですね…でも…私には心地好い冷たさです…冷製さを保てるから…」
そう言いながらタクシーを止めようとすると…
『少し…歩きません?…』
「いいですけど…奥さんが風邪でもひいたら…」
『私は大丈夫…丸山さんの温もりで…暖かい…だから少し歩いて下さる?…』
遊歩道を優希の家に向かって歩きだした…

『丸山さん…』
「どうしました?奥さん…」
『神様ってホントに意地悪ですよね…』
「そうですね…このまま時が止まって欲しくなってる私がいますよ…」
『一緒に居てくださってありがとう…丸山さんの優しさに救われました…』
「此方こそ…こうして肩を並べて歩けるなんて…一生の思い出が出来ました…此から一時は大変でしょうけど…人生はまだまだ先が有ります…奥さんなら…明るい未來が…きっと待ってますよ…さぁ…帰りましょう…」
『はい…』
並んで歩くなか…優希が身体を凭れてくる…
タクシーを拾い優希の家に向かう…
車内ではしなだれる様に身体を預けて来ていた…

家に着く…
『丸山さん…酔冷ましに珈琲いれますから…』
「もう遅いですから…私はこれで…」
『一人になりたくない…怖くなりそう…』
「少しなら…」
タクシーを返し家に入った…
リビングのソファーに座ると優希が珈琲をいれにいく…
珈琲と灰皿を持って戻って来た…
『煙草どうぞ…』
「すいません…」
灰皿を置き…珈琲を置くと…私の隣に座る…
煙草を取り出すと…火をつけてくれる…
『こうしてて良い?…』
言いながら身体を預けて来る優希…

「構いませんよ…お気の済むまで…私は嬉しいだけですから…」
『ねぇ…丸山さん…』
「なんです?…」
『このまま…ずっとこうしててって言ったら…居てくれますか?…』
「奥さんさえ良ければ…」
『じゃあ…こうしてて…』
「良いですよ…私なんかで良ければ…」
優希の呼吸と煙草を燻らす私の呼吸が交差する…
悪戯に時が流れ過ぎ去っていった…
優しく…優希の髪を撫でながら…
『嫌な事が有ったのに…こうしてると忘れてしまいそう…丸山さんに甘えてばかり…』
「忘れてしまいなさい…何もかも…ご主人の事は忘れて…新しい奥さんの人生を考えなきゃ…」
『忘れられるかな…』
「奥さんの…心の隙間を埋め尽くしてくれる男性が現れますよ…必ずね…其が私では無いのが残念ですけど…」
『なんで?…丸山さん…』
「独身で…後10歳若ければね…そうじゃないのが残念でたまりません…」

『丸山さん…そんなに私の事を…』
「大事な女性ですよ…一人の男として…だから…こうしてたいと思うんです…こうして一緒に居られるだけでね…幸せになれるんです…」
『こんな風に言われたの初めて…でも嬉しい…』
「こうしてますから…少し休まれた方が良いですよ…」
『ありがとう…でも丸山さんが眠れませんよ…』
「こうしてたいんですよ…夢の様な時間を過ごしてるんですから…それだけで幸せなんです…」
『丸山さん…ホントにそう思って下さるの?…』
「ええ…後10歳若かったら冷静な判断出来なかったでしょうけど…」
『冷静な判断って?…』
「奥さんの悲しみに付け入る様に…してたと思う…」

『そうなんですか?…今はしないの?…』
「したい気持ちは有りますけど…理性が止めてくれます…大切な女性だから…不幸には出来ませんから…」
『丸山さん…私を大切に思ってくれてるなんて…私も神様を恨みます…丸山さんと同じ時を歩ませてくれなかった事を…』
「奥さん…その気にさせないで下さい…心の中では葛藤してるんですから…一時の気の迷いからは何も生まれませんよ…」
『丸山さん…気の迷いでは有りません…こうして優しさに触れ…包み込んでくれた…女はそんな男性に引かれてしまう…私の心の隙間を埋めてくれたのは貴方なんです…一緒に居たいと思わせてくれた男性なんです…』
「奥さんにそう言って貰えただけで幸せです…しかし私には妻も居れば家族もいる…貴女を幸せにはしてやれない…それが残念でたまらない…」
『女の幸せは結婚じゃ無いって分かったの…一緒に居て安心出来る…落ち着ける男性の側に居られる事だって…丸山さん…好きになっちゃ駄目ですか?…』
「奥さん…理性が弾けそうだよ…抱き締めそうだ…でも…奥さんを悲しませたくはないんですよ…本当に…奥さんは大切な女性なんです…」

『奥さんは止めて…一人の女として見て…後悔はしないから…優希って呼んで…』
「奥…さん…後悔しないって…止まらなくなりそうだ…」
『私が望むの…丸山さん…私を抱いて…丸山さんで埋めて欲しい…お願い…』
「奥…さん…本気なんですか…後戻り出来なくなりますよ…日陰の女に…なってしまうんですよ…」
『いいの…私の哀しみと寂しさを埋めて欲しいのは…丸山さんだけ…抱いて…』
「優希さん…」
抱き締めて唇を奪った…
『ああ…丸山さん…』
その台詞を最後に言葉は無くなり…互いを激しく求めあった…
優希の身体は…赤みを帯び…妖艶に蠢く…
形のよい乳房…括れた流れるような腰…肌は潤い…吸い付いて来る…奴には勿体無い極上の女だ…
その女が今…恥態を曝し私の前にいる…

優しさの振りと…好意を持っていた振りで堕ちた…
後はこの女を私の虜にしてやるだけだ…
月曜の出社までの間に…
忘れられない程の快楽を身体に刻み付けてやる…脳に記憶させてやる…
優希を責め立てる…
悲しみを埋める様に乱れに乱れ狂う優希…
優希が何度も気を遣る…
気を遣っては求めて来た…
『ベットで…』
優希に挿入したまま立ち上がり…寝室に行く…
ベットに座り…優希の唇に舌を這わせる…
舌を絡めて来る優希…
身体が硬直し…喘ぎが大きくなる…また…気を遣った…

『丸山さんは逝かないの…』
「優希さんが満足するまで繋がって…一つになっていたいから…」
『嬉しい…私も…ずっと繋がってたい…』
「優希さんを誰にも渡したく無くなってしまった…けど…私には資格がない…」
『そんな事無い…私を奪って欲しい…心も身体も…』
「奪いたい…妻子が無ければ奪い取りたい…ご主人から奪い取ってやりたい…」
『奥さんやお子さんが居てもいい…私の全てを…主人から奪って…』
「私でいいの?…」
『丸山さんに奪って貰いたいの…』
「優希さん…もう立ち止まらない…優希を…ご主人から奪い取ってやる…」
『ああ…嬉しい…丸山さん…』
歓喜の涙か…決別の涙か分からないが…一筋…頬を伝わり落ちた…

舐めとるように舌を這わせてやる…
潤んだ瞳には私の顔が写ってみえる…
優希が絶叫し気を遣る…
ビクン…ビクン…と大きく何度も痙攣して果てた…
ぐったりした優希からぺニスを抜き…横にしてやる…
腕枕をしながら髪を優しく撫で続けた…
優希が言った…
『私から抱いてなんて…言ったの初めて…丸山さんに抱かれたいって思った…抱かれてて…こんなに幸せな気持ちになったのも初めて…ホントだよ…』
「夢のようだよ…夢なら一生覚めないで欲しい…そう思ってる…」
『丸山さん…』
「許せないのは…ご主人だけだ…優希を悲しませるだけ悲しませて…」

『もう…あの人の事は言わないで…帰って来てら…離婚するように話すから…一緒に居たくない…』
「優希一人じゃ心配だよ…一緒に立ち会おうか?…」
『ホント?…居てくれたら心強い…』
「せめて…優希にしてやれる事だから…一緒に居る…」
『丸山さん…抱いて…私を…貴方のものにして…』
身体を起こしながら…ぺニスに手を添えて口に含む…優希
口の中で怒張していくのを愛しみながら…舌を這わせて刺激している…
「優希…一緒に…」
その言葉を受け…私に跨がり秘部をさらけ出す…
愛液で濡れそぼった割れ目…肥大したクリトリス…
皺の一本一本まで晒されたアヌス…
肥大したクリトリスを指で刺激しながら…割れ目の中に舌を挿し入れる…

優希の腰が…ビクンと反応した…
貪り合うように互いの秘部をまさぐり合う…
ピチャピチャ…ジュルジュル…
舐め吸い合う音だけが室内にこだました…
優希が動いた…
体勢を入れ替えながら…
『我慢出来ない…』
私に跨がり…膣口にぺニスを宛がい…一気に飲み込んだ…
ぺニスを胎内に飲み込んで…腰を激しく揺さぶり始め…自らの快感スポットに押し当てている…
盛りのついた女になって…

「優希…素敵だよ…」
『ああ…丸山さん…凄い…素敵よ…狂っちゃう…私…変になっちゃう…こんな事…初めて…』
「優希が…私を求めてくれてるんだよ…互いに惹かれ合って…求め合っているから…」
『もう…ダメ…丸山さんしか見えない…来て…お願い…丸山さん…一緒に…一緒に…逝きたい…私の中に…きてぇ…』
「優希…いいの?…逝くよ…優希の中に…」
優希の痙攣と同時に…膣内で射精してやる…
『熱い…丸山さんのが…私の中に…嬉しい…』
「もう…離したくない…優希を誰にも渡したくない…ご主人の目の前で優希を抱いて…2人の愛を…見せつけてやりたい…」
『ああ…丸山さん…愛してます…もっと…貴方色に染まりたい…』
「染めてやる…私しか愛せない優希に…してやる…」
『ああ…丸山さん………』
寝る間も惜しみ求め合った…
夜が明け…昼になり…夕闇が下りて来た…

精も根も尽き果てた2人は…ただただ抱き合い唇を重ね合っていた…
『お腹空いた?…』
「優希を抱いてるから胸が一杯…」
『うふ…何か在り合わせで作るから食べて…』
「ああ…その後…優希も食べる…」
『うふふ…いいよ…食べて…』
手際よく料理をする優希…
あっという間に出来た…
並んで座り食事を済ませた…
「優希…明日だね…」
『うん…一緒に居てね…』
「ああ…優希との愛を…奴に見せつけてやる…」
『えっ?…ホントに?…』
「私と優希との間に…入り込む余地が無いことを知らしめてやりたい…優希が嫌ならしないけど…」
『私は…いいよ…復讐の意味も有るけど…丸山さんの愛を感じていたい…』
「復讐か…じゃあ明日…奴の会社に…例の写メとか送りつけてやろうか…信用失墜させる為に…」

『丸山さんってバレない?』
「バレたって構いわしない…優希が手に入ったんだから…他には望まない…」
『嬉しい…丸山さん…愛してます…ホントに…』
唇を求め合いながら寝室に向かった…
優希の言葉が嘘では無い証しに…優希は全て胎内で受け止めた…
そのまま眠りについたみたいだ…気付くと朝になっていた…
時計を見る…午前7時40分だった…
優希を起こした…
「大事なお姫さま…お目覚めのキスですよ…」
『うん…キスして…』
目覚めた優希に…
「今日…会社休むから…後で…体調不良って連絡して…もっと優希を抱きたい…」
『うん…電話するね…うふふ…愛してるから?…』
「そうだよ…」

優希に覆い被さった…
9時になり…優希が会社に連絡してくれた…
スマホから奴の会社に動画と写メを送りつける…
婬行社員の実体とタイトルを付けて…
送り付けると優希が求めて来た…
互いを貪り合い…求め合い…時は過ぎて行く…
優希に荷物を纏めるように言った…見せ付けた後、一緒に家をでる為に…
衣類だけ詰め込んだバッグをリビングに置き終わると…夕方になっていた…
リビングで煙草を燻らせる…時間の経過と共に落ち着きが無くなる優希…
立ち上がり優希を抱き締め唇を奪う…呼応し舌を絡めて来る…
ソファーに座り背面座位で優希を貫く…
後ろから乳房を揉み…クリトリスを刺激してやる…
寝室もリビングも室内のいたるところは…2人の婬臭に包まれている…

奴が帰って来た…
優希の締まりがキツくなる…
足音が近付くにつれ…優希の悶え方が激しくなる…
リビングのドアが開いた…
目の当たりにした惨劇に…呆然として立ち尽くす…
『優希…お前なにしてんだ…丸山…てめぇ~…』
「齊藤さん…優希は私の女になったんですよ…自らの意志でね…そうだろ優希…元旦那に見せつけてあげなさい…」
『はい…私から抱いて貰ったのよ…何が悪いの?私は丸山さんを心から愛してるの…丸山さんの愛を受け止めたら出て行くから…そこで見てなさいよ…』
泣き崩れる齊藤の目の前で激しく腰を振り…よがりまくる優希…
優希の身体が硬直を始め…締め付けが一段と強くなる…

「優希…逝くよ…一緒に逝こう…優希の中にまた出すからね…受け止めるんだよ…」
『はい…愛を下さい…また…中に下さい…あっ…あぁ~』
優希の言葉と同時に胎内に射精してやる…
『あぁ~…また…熱いのが…貴方の精子が…』
「齊藤さん…優希は貰って行きますから…離婚に関しては弁護士から連絡させます…優希の身体も見納めですよ…」
優希に服を着せタクシーを呼んだ…
タクシーに荷物を乗せ、マンションに…
「優希…ここで暮らしていいから…2人の愛の巣にしようよ…」
『ここは?…』
「私の隠れ家…優希の家になったけど…はい鍵…」
『嬉しい…今日は帰るの?居てくれるの?…』
「毎日帰るよ…ここに…優希と暮らすから…駄目かい?」
『ううん…凄く嬉しい…ご家族は?…』
「単身赴任という事にして、安アパート借りて誤魔化すから…」

あれから2ヶ月…
齊藤は会社を首になり、優希は離婚成立して私と暮らしている。
狙った獲物は確実に落としさえすれば…従順な女になる事を覚えていて欲しい…

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