小学生の頃、母親が女の子の体にこれから起こるであろう変化を漫画にした本を買ってきた。読んでおけ、と言う。
そこで読んでみると女の子には初潮というものがあるらしい事、子供を作る時には男の子のペニスが女の子にだけある膣という穴に入ってできる事、こういう事が書かれていた。
どうやらその穴から初潮の時、血が出てくる、とも書いてあった。
生まれてこの方、そんな穴が自分にあるとは思ってもみなかった私は、その日からその謎の穴を研究するに至った。
その穴は尿道とお尻の穴の間にある、と書いてあるのだが、お尻の穴以外は今までよく分かっていなかった。
穴がお尻のように空いているわけでもない事を知ったのもその時だった。
これか?と思う場所に恐る恐る指を入れてみた。めちゃくちゃ痛かったあまりの痛さに泣いた。
以来、謎の穴について研究する事はきっぱりやめた。
しかし、最悪の機会は数年後にめぐってきた。
その頃には初潮が始まっていたのだが、周期は不安定で予想がつかなかった。
その日は中学の水泳大会だった 生理になってしまった私は中学に入って得た知識、水泳中でも大丈夫というたんぽんを使おうと決意した。
薬局で買っておいたタンポンの説明書にはどこに入れるのか、膣の位置が詳しく書かれていた。
そこで小学生時代の研究結果はやはり間違ってはいなかった事が判明した。
事前知識があり、体も研究当時よりも大きくなった。今度こそ大丈夫だ。
たんぽんを思いきって入れてみた。
変わらず痛く、泣いた 結局半分も入らず、水泳は断念した。
それ以来たんぽんに挑戦する事はやめた。
大人になり、初めての恋人ができて、初めて経験する事になった。研究していた時よりもちぎれる程痛く、泣いた。
しかし、血がでなかった まさか昔の研究で自分でやってしまった・・・のか?
しかし彼氏は出ない事もあるんだな、と納得してくれた。
本当の事はまず言えなかった(完)
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